てんこ

ブログ名は愛猫(てん)の愛称です。中身は個人のIT系学習記録です。

自宅ラボ用にNanoKVMを買いました。

久しぶりの投稿です。

ストレス発散のための買い物として、自宅ラボ用にNanoKVMを購入しました。

上記についての覚書のような記事になります。

サマリ

  • NanoKVMは自宅ラボのお供に最適。IPMIなしの小型PCもリモートでコンソール作業が可能になります。
  • ブート用のUSBメモリ替わりにもなるので、再セットアップもお手軽。
  • 購入はAliExpressがらくちん。ほかにもいくつか買える場所があります。

NanoKVMとは何か?

超小型のIP-KVMです。IP-KVMというのは、ネットワーク経由でリモートPC上の画面を見たり、マウス・キーボードを操作するためのものです。

リモートデスクトップSSHも同じ役目がありますが、それは該当の端末にネットワーク経由で直接接続できることが条件です。

IP-KVMの役割は、直接端末にネットワーク接続できない時点からのリモート操作(初期キッティング)や、ネットワークが直接繋がってない状態の端末(ネットワーク断のテストしてる、とか)等の場合に活躍します。

カバー範囲としては、以下のイメージ図をご参照ください。正確な絵ではありませんが、役割は把握いただけると思います。

法人向け商品だと1ポートタイプでも2-3万円くらいした記憶があるのですが、さすがに自宅向けにはお高いです。

このNanoKVMは、その金額面でのネックを解消し、自宅でIP-KVMがお手軽に利用できるようになるソリューションです。

どこで買えるのか?

以前はクラウドファンディングなどで先行者購入ができたのではなかったかな、と思います。

現在は、おそらくAliExpressで買うのが一番お手軽だと思います。 AliExpressの商品ページはこちらです。現在はLite版が1台30ドル(+送料6ドル)くらいで購入できます。フル版は本体価格が倍くらい。

https://ja.aliexpress.com/item/1005007369816019.html?gatewayAdapt=glo2jpn

納品までにかかる期間は、今なら10日-14日くらいで手元に届くのではないかと思います。

私の場合には購入から手元に届くまで、大体1か月くらいでした。 私の場合は9月上旬に購入したのですが、9月末発売の先行予約、という位置づけだったのもあり、少し時間がかかりました。

ブート用のイメージファイルや、購入元などのURLリンクが張ってあるWebページはこちらになります。

github.com

どんなことができるのか?

  • 有線LANを経由して、リモートにあるPCのコンソール操作(画面の表示・キーボードやマウスの操作)が可能です。
  • NanoKVMの本体内にISOファイルを格納しておくことで、起動用のUSBメモリ替わりにすることが可能です。
  • NanoKVM自体にTailscaleというVPNクライアントが内蔵されているため、VPN越しにNanoKVMを操作することが可能です。(未検証)
  • ネットワーク機器のコンソールサーバとしても利用することができます。

何ができるのか、の詳細については、こちらの公式Wikiをご確認ください。

Introduction - Sipeed Wiki

一般的なIP-KVMとしての利用方法はもちろん、例えば検証しにくい「無線LAN接続」のテストをやる端末を、KVM経由でお手軽に操作する、みたいな用途にも使えます。

上記の実験例がこちら。

操作時のトラフィック量はどうか?

フルHD、30Hz、クオリティ8割の映像での操作時で、大体14Mbps程度でした。

このあたりは、上記の要素が変われば流量が変わってくると思われますので、ご参考程度でお願いします。

細かいFAQ的なもの

  • IPアドレスの付与はDHCPのみなの?
    • StaticIPの設定が可能です。
      • DHCPサーバが無い場合の初期IPが冒頭の写真のものなので、まずは作業用のPCを直結し、ネットワークアドレスを合わせて初期IPにアクセスします。その状態で設定変更をすれば固定IPでも利用可能です。
  • LiteとFull版だとどっちがいいの?
    • Liteだといろいろと機能制限があったり、ケースやSDカードなども別途用意する必要があるため、Full版がお手軽だと思います。Full版だと、現在のIP情報なども本体液晶に表示されます。
    • 金額はLiteのほうが安いので、必要に応じて購入対象を選択いただければ問題ないと思います。
    • 各々の機能差は、Wiki上のページなどをご参照ください。
  • GitのページだとFull版はPoE対応みたいなことが書いてあるけど、LANだけで給電できるの?
    • Wiki側ではその表記が削除されてました。PoE試してみましたが、使えませんでした。別途拡張キットが必要そう?
  • NW機器の操作用のコンソールサーバとしては使えるの?
    • 多分使えると思うのですが、まだ未検証です。もし検証出来たら追記します。
    • 【10/12追記】問題なく利用可能でした。こちらの記事をご確認ください。
  • 何か注意点はある?
    • 本体が100Base-T、かつ内部もUSB2.0とのことなので、イメージ転送する際は少し時間がかかります。
    • 上記の理由もあり、1000Mbps限定のスイッチではリンクアップしないとのこと。下位互換のあるHUBに接続しましょう。
    • 電源供給用とマウス・キーボード操作用のIFが両方ともUSB Type-Cなので、差し間違えにご注意ください。(Full版では丁寧に横に説明用のシールも貼ってあります)

最後に

NanoKVMは小型PCを利用されている方の自宅ラボのお供に最適だと思います。

ラックマウントサーバをご利用の方はIPMIを利用されている方もいらっしゃるかもしれませんが、ライセンスなども踏まえて考えると、NanoKVMもかなりコストパフォーマンスの良いソリューションだと思います。

ちょっとラボ環境の操作を楽にしたいな、と思われている方はぜひ購入をご検討ください。