てんこ

ブログ名は愛猫(てん)の愛称です。中身は個人のIT系学習記録です。

#JTF2020 に参加しての感想

先日開催された #JTF2020 に参加させていただきました。

昨年のJTFは、その時点ではイベントの存在すら知りませんでしたが、コミュニティなどで仲良くなったエンジニアの方々がこぞってJTFに参加されていたこともあり、「いいなぁー、次回あったら現地参加したいなあ…」とTLを追っていました。

今年はコロナの影響もあって、初のオンライン開催となり、地方在住の私も気軽に参加することができました。

実際にリアルタイムで聞かせていただいたセッションの感想などを記録しておきます。

なお、今回はイベント終了の18時にあわせて、資料リンク集を作成してみました。すでに別エントリで投稿させていただいていますので、そちらもご参照ください。

tenko.hatenablog.jp

F1 : はじめてのAnsibleトラブルシューティング【ライブ限定】 / 齊藤 秀喜さん

www.slideshare.net

Ansiblejpのコミュニティでお世話になっているさいとうさんの、Ansibleに関するトラブルシューティングのTrackを聴講しました。1コマ目は他のもかなり目移りする感じだったのですが、やはり、【ライブ限定】と書かれてると弱いですね…

内容としては、自身も経験してきた、Ansibleに関するトラブルシュートについてのTipsが盛りだくさんでした。

Ansibleのトラブルの中で、大半は「AnsiballZ(モジュールやパラメータなどが集まったもの)の対象ホストへの転送」で発生するそうです。

自分は、もともとNW機器を触るつもりだったこともあり、接続方法の違いについては一番最初に学んだので、このトラブルのケースが多い、というのは驚いたのですが、確かにAnsibleの歴史を考えるとサーバ系のほうが古いでしょうし、あとからNW系に適用対象を広げた時につまづく、というのは往々にしてありそうです。

Tipsのなかでも、以下の点は初めて知りました。デバッグに非常に便利そうなものもあったので、是非活用してみようと思いました。

  • WinRMでのWindows管理では、大きいファイルの転送は向いてない。
  • NFSなどの接続が切れた状態でsetup(gather_facts)すると、Timeoutになってしまうケースもあるため、gather_subsetで必要最小限に絞ると良い。
  • ansible-playbookコマンドの実行時に「--step」というオプションをつけると、Taskごとにステップ実行(y/nの入力を求められる)が可能
  • ansible-playbookコマンドの実行時に「--start-at-task "taskname"」というオプションをつけると、特定のnameのついたTaskから実行が可能

Playbook Debuggerも非常に便利とのこと。いままではそこまでのトラブルに遭遇したことがないので、もしそんな機会が訪れたら是非活用してみようと思いました。

また、冒頭に、トラブルシュートに関するお話として、以下の点に注意してほしい、という内容がありました。

  • 「問題」を整理する
    • 問題の概要をまとめてタイトルをつける
    • どのような問題が発生しているか?期待される動作はどのようなものか?
    • どこで問題が発生するか?どの環境で発生するか?
    • いつ問題が発生するか?頻度は?繰り返し発生するか?特定のタイミングで発生するか?(再現条件は?)
    • 問題の緊急度はどのくらいか?解決までの期限や業務影響はあるか?

これは、Ansibleに限らず一般的な「トラブル対応」では共通する事項です。

私もITサービス運用者として、トラブル発生時には上記のような内容が書けるチェックシートのようなものを活用しています。

また、Ansibleサポートの立場として、以下のようなアプローチをとられるそうです。

  • 「問題」を調査するためのアプローチ
    • 正しくトリアージする(緊急度/影響範囲/優先度)
    • 憶測は排除し、事実をもとに発生している現象を正しく把握する
    • 問題を再現する
    • 想定された動作なのか、不具合なのか?
    • 既知の不具合か、未知の不具合か?
    • 解決策やワークアラウンドは存在しているのか?

このあたり、特に後半は「このあたりが曖昧なまま問い合わせを投げられることが多いんだろうなあ…」と察しました。 サポートあっての安定運用ですから、利用者側もサポートがやりやすいように気を付ける必要があるなあと、改めて肝に銘じました。

さいとうさん、この内容でSoftware Design の連載、2-3か月分書けますよね(笑)

C2 : エンジニアなら誰でも配信を / 田中 司恩さん

speakerdeck.com

別エントリにも書きましたが、最近オンラインのコミュニケーションについていろいろ考えることがあり、その点で参考になりそうだなあと思って、Red Hatの田中司恩さんのTrackを聴講しました。

内容としては、昨今のコロナ事情などもふまえて、オンラインコミュニケーション時代における我々エンジニアに求められる変化について、非常にわかりやすく解説していただきました。

コロナ影響もありますが、昨年にくらべてオンラインイベントが15倍に増えた、というのは非常に驚きでした。と同時に、地方にいる私のような人間にとっては、学びの機会も非常に多くなってありがたいなあと感じました。

また、今後ライブ配信技術を身につけることは、エンジニア人生を長くする材料になる、と言われて、いろいろ勉強しないとなあと感じました。とっかかりとしては、機材なしでもできるOBSを勉強してみようと思いました。

情報共有手段としての動画がもつパワーについては、私も完全に同じ意見です。

ちょっとTrackの感想から外れてしまいますが、IPAのITサービスマネージャを合格した時の論文試験について書きます。

その際は「動画取得による、情報共有の円滑化」をテーマに論文を書いていたりします。(もう3年前かな…)

属人化している組織において、作業を動画形式で記録することで以下のメリットがある、という内容を書きました。

  • 他者に作業を説明するときに、とても有効なエビデンスとなる。静止画では操作イメージがつかみにくく、不安
  • 実績のない作業を実施するときにも、動画を取得しているとタイムスタンプと画面イメージが完全に同期した状態で記録が可能なので、事後の経緯を整理するときに非常に役に立つ
  • 引継ぎができておらず、有識者が手順書を書き起こす時間もない、というときに、動画を撮ることで他者に手順書作成を依頼でき、同時に引継ぎにもなる

そのため、「やはり人間は静止画より、実際のイメージがつかめる動画のほうがいい」という実感を持っています。

ライブ配信の形式での情報発信でも、同じことがいえるなあと思っています。今はブログだけですが、いずれはライブ配信などもやってみたいなあと思いました。ネタがあれば、ですが…

またこちらも週末に視聴させていただきます😃

3コマ目はおやすみ

お昼の時間になったこともあり、家族の昼食を作るために泣く泣く3コマ目は受講せず。

実際には、お昼休憩の時間に以下の2つのセッションを流し見していましたが、これはアーカイブが配信された際に改めて視聴させていただこうと思っています。

  • C3 : 間隙を縫って現場と自分を Extend していく流浪人スタイル / 曽我 央 (sogaoh)さん
  • G3 : 「誰かの Engineering Life を Extend する」を仕事にした話 / 横地 晃さん

A4 : IP制限な社内レガシーアプリをAWS Cognitoでどこからでも利用可能にして社員の生産性を上げました / 林 如弥さん

www.slideshare.net

午後一番は、OisixのmorihayaさんのTrackを聴講させていただきました。

テーマとして「どこからでも利用可能」というところに惹かれたからです。(ちょっとお仕事の関係で…)

内容としては、コロナ禍におけるフルリモートワーク時にRDS(VDI?)で社内回線のトラフィック輻輳した話からスタート。生産性のがた落ちまで含めて、よく耳にするケースですね。Oisixさんですらそうだったのか…という印象でした。

事情としては、IP制限で社内からのみのアクセスに限定されているWebツールが多かったからとのこと。これ、いろいろ耳が痛いです。

そんななか、自宅から直接Git/esaなどのSaaSを利用したい、という要望を受けてAWS Cognitoの採用を検討され、実際に実装されたとのこと。私もコード書けない人なので、認証系とかは無理だろうなあ…と思っていたのですが、今では認証も簡単に実装できるサービスもあるんですね…

また、社内アプリケーション程度であれば、Cognitoは無償枠で利用できるとのこと。これはうれしい話!

レガシーアプリケーションをAWS Cognitoを活用するだけで認証対応することができた、というのも面白いなと思いました。DirectConnect環境が必要だったとのことですが、自社はこの辺りは強いのでいろいろと調べてみたいと思いました。

余談ですが、私は一度もリモートワークしたことないです!!(4月、5月は本当に「在宅」してましたので…)

奥さんも同じ会社なのに週数回リモートワークしてるのにな!おかしいな!私もてんこさんをモフりながら仕事したいな!

C5 : JTF2020に来てください。本物の経営者目線ってやつを見せてやりますよ / @Clorets8lackさん

www.slideshare.net

ソナーマンというパケットキャプチャ関係のツールを作成されている、黒ブラさんのTrackを聴講させていただきました。

私もパケットキャプチャ大好き人間なので、勝手にシンパシーを感じております(笑)

Trackの内容としては、副業で開発したサービスで経験した挫折と、そこから得た経験を糧にマインドシフトし、自分の強みを生かした、自分が営業していて楽しいと思えるサービスを開発された際の経験談に関するお話でした。

挫折されたときの状態については、「これは自分だったらとても立ち直れないな…」と思いました。

また、失敗した時の経験から、次の商品開発にむけて視点を変えられたポイントや、サービス企画の段階から「撤退」について検討しておいたほうがいい、というお話をしていただきました。

自分も最近鬱病でダウンした経験があるので、ダメになったときの人間はまともにモノを考えられない、というのはとても分かります。うなづきで首がもげそうでした。

また、知識を得ることのハードルを下げる工夫として、人に勧められた本は即ポチるようにされてるとのこと。

これは見習いたいなあと思いました。(既に大分積ん読が多いので、実は真似られているのか…?)

キャプチャについてのお話はありませんでしたが、私もキャプチャ大好き人間なので、いつか黒ブラさんとお話してみたいものです(笑)

E6 : ネットワークへのCI的アプローチ / 田中 進さん

www.slideshare.net

最後のTrackは、エーピーコミュニケーションズでNeedleWorkの開発をされている、田中さんのTrackを聴講させていただきました。

実は、C6の「続・人生100年時代の学び方」と非常に迷ってました。プレイベントでとても良いお話が聞けたため、続きが気になっていたためです。ただ、おそらく資料とアーカイブで補完はできると思いなおし、本業で検討しているネットワークCIのお話を選びました。

あと、Ansibleのにおいがしたからというのもあります。

内容としては、ネットワーク系の運用担当者として感じたつらみや、温かい手運用で発生する損失などに関しての見解、それに対してAnsibleやNeedleWorkのAPIを使って自動化することで対処する、という内容でした。

このあたりは、自分もつらみの部分は現在進行形で感じているところであり、その先についても今後経験していきそうなので、とても参考になりました。

NeedleWorkのAPI、公開されてないってどういうことですか(笑)

NeedleWorkは、Interopでも拝見させていただいて、とてもいい製品だなと思っています。

実際に、FWのポリシーテストをやろうと思うと、どうしても中途半端になってしまいがちですが、NeedleWorkを活用することで全件試験が可能になります。

現在はトラフィックジェネレータちっくな機能も追加されており、どんどんと欲しい機能が追加されている、期待のプロダクトです。今後もますますのご発展を祈っておりますので、APIリファレンス公開してください(笑)

全体を通して

とても学びの多い、貴重な経験をさせていただきました。

またリアルタイム視聴できていないTrackも、アーカイブが公開され次第、聴講させていただこうと思います。

運営の皆様、登壇者の皆様、いいイベントを本当にありがとうございました。

また来年も必ず参加させていただきます!!

補足

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