てんこ

ブログ名は愛猫(てん)の愛称です。中身は個人のIT系学習記録です。

#JTF2020 アーカイブ動画視聴の感想(A3/G1/C1/C3/G3)

JTF2020の開催された濃密な土曜日から、一週間がたちました。

その間に、さっそく動画アーカイブが公開されました。運営の方、大変ありがとうございます。

セッションごとに動画が区切られる形になったので、私の書いたリンク集も、Youtube動画や表形式のリンク集などいろいろと更新させていただきました。

さて、本日はアーカイブ動画の中から幾つかTrackを聴講させていただきましたので、その感想を書かせていただきます。

A3 : OpenWorkが考えるリモートワーク時代のオンボーディング / 加我 貴志さん

■Youtube

オープンワーク株式会社の加賀さんによる、コロナ禍・リモートワーク時代のオンボーディングについてのお話でした。

この「オンボーディング」という言葉、私は昨年のJTFで初めて目にしました。

「配属時の初期教育」のような一方的なものではなく、「組織の一員として定着させ、戦力化させるまでの一連の受け入れプロセス」というのが一般的なようで、要は「仲間になるための活動」と捉えています。

それが、コロナ禍により、リモートになってしまい、ご自身が新規参画された会社で苦労されたこと、その点を改善するために人事部門と一体となって改善を進めていった活動などをお話頂いていました。

確かに、今のご時世のリモート前提では、「組織の一員となる」というような感覚は得づらいですよね。今年から社会人になる方も、教育担当の方も、とても大変だろうなと想像しています。

そんななか、ご自身が新規参画者であるにもかかわらず、人事部門と一体となって会社のさまざまな仕組みをカイゼンされていたというお話を受けて、「ブツブツ文句を言っているだけではだめだな、自分ももっと働きかけをしなくては…」と思いを新たにしました。

私の身の回りでも、「長期間在籍している生き字引の人に知識が埋もれてる」ということがままあるので、そういった点から発表頂いていた観点に気を付けて、徐々に徐々に改善していきたいと思いました。

G1 : 伝統的なエンプラ企業で取り組むインフラの設計書のモダナイゼーション / 吉村 翔太さん

■Youtube

柴犬のアイコンがかわいらしい、@yosshi_ さんのTrackを拝聴させていただきました。

設計書のモダナイズ、自組織の中でも非常に課題になっています。

確かにお話されていたように、IaCなどを活用しても、設計部分までは効果は及ばず、せっかく作ったドキュメントも周りの変化についていけずに陳腐化し、書いてある内容は初期のもの…みたいなケースはあるだろうなあ、と想像していました。

また、人材が流動的な世の中に適応するため、人に依存する部分を極力排除し、オンボーディングしやすい形にしたい、という目的のもと、様々な検討を重ねられたそうです。

ドキュメントが陳腐化したりしないように、GoogleのDesign BookやOSSのProposal資料などをベースにされた構成の、Markdown形式でのドキュメントとし、各章の構成なども、わかりやすく書くべきものを明確にしたドキュメントのベースを作成されていました。やはり、Markdownは扱いやすいですよね。Word/Excelまみれの自分の周りも、講演頂いた情報を参考にしながら、少しずつでも変えていきたいなと思いました。

全体としてみた時に、何かしらの行動を起こされる際に、かならず根拠や裏付けをされているのが、とても印象的でした。自分の行動の軸になる何かを持つのは、とても大切ですよね。

そういった部分も見習いたいなと感じました。

C1 : テクニカルサポートエンジニアという働き方 - 技術と英語で立ち向かうOSSエンタープライズの世界 / 八木澤 健人 (ひよこ大佐)さん

■Youtube

Ansiblejpのコミュニティでお世話になっている、ひよこ大佐さんのTrackを拝聴させていただきました。

もともとインフラエンジニアだったところから一転、テクニカルサポート(TSE)にTwitter転職されたことでも有名なひよこ大佐さんですが、サポートエンジニアの方に必要なスキルセットやマインドセット、また転職前の経験をすべて力に変えていく、そんな力強い意志が端々に感じられるプレゼンでした。

私も、仕事上ではネットワークだけでなく、DC/回線/クライアント周り/AD/Linux/セキュリティなど、かなり雑食でスクリプトも何種類か書くことができます。雑食だからこそ強みになる部分があるよなあと思っていたので、ひよこ大佐さんのプレゼンを視聴して背中を押された気持ちになりました。

また、グローバル組織における英語の立ち位置や、英語を習得していることによるメリットなどを非常にわかりやすく説明していただきました。英語学習ほっぽっている私には耳が痛いところです。時間を作って頑張ります…!!

また、同時開催されていた、G1のさいとうさんと同じく、トラブルに関するTipsをご紹介いただきました。

「何もしてないのに壊れた」というような状態の問い合わせだったとしても、サポートエンジニアの方は問題を解決するのがお仕事でもあるので、しっかりと重要度や期限などをヒアリングし、問題を整理しながら取り組まれているんだというのを、とても心強く感じました。サポートの方にいろいろとお願いするときは、変な色眼鏡をかけずに、事実などを正確に伝えることが重要ですね。

TSEに向いている人は、「トラブルシューティングが性癖な人」とのことで、割と私も該当するかもしれません(笑)

C3 : 間隙を縫って現場と自分を Extend していく流浪人スタイル / 曽我 央 (sogaoh)さん

■Youtube

こちらもAnsiblejpのコミュニティでお世話になっている、 @sogaoh さんの、ご自身の活動スタイルに関してのプレゼンでした。

冒頭、大分慌てられてましたね(笑) その裏側をご自身のブログに書かれてまして、あのバタバタ具合なら仕方ないかなと思いました。興味のある方はリンク集側からご参照ください。

内容としては、ご自身の様々な活動の中で、どのような取り組みが今の自分を作っているか、という点についてお話をしていただいていました。

5年毎リプレース、みたいなのが当たり前の現在、10年前、20年前の活動の成果が今でも残っているというのは、今の自分にはなかなか真似できない、素晴らしい成果だなと思いました。

また、常日頃からシステムの穴を埋める(間隙を縫う)ことを心掛けられているということで、その活動の例などをお話しいただいていました。

仕組みなどを変えるのはなかなか苦労が多い活動ですが、その苦労を厭わない姿勢は見習いたいなと思いました。

最後に書かれていた”Giantの中にはAntがいる"というのは、非常に深い言葉だなと思いました。どんな巨大な組織でも、小さなアリがいて、その一部となって支えている。穴が開いているところを埋められる、そんなアリになりたい、という思いが伝わってきました。私もそんなアリになれるよう、日々学習を続けていきたいと思いました。

G3 : 「誰かの Engineering Life を Extend する」を仕事にした話 / 横地 晃さん

■Youtube

いつもAnsiblejpのコミュニティでお世話になっているよこちさんの、エーピーコミュニケーションズさん内でのメンター活動を題材にしたお話でした。

Trackの中では、エーピーコミュニケーションズさんの中で、エンジニアリングメンター活動をされている際の、以下の2期にわけたふりかえりをされていました。

  • 野良期
  • オフィシャル期

最初の野良期の頃は、1:多での、比較的一方的な意見になってしまっており、なかなかうまくいかなかったこと。

オフィシャル期には、組織側にも働きかけ、また1:1を意識して、自立的・自発的な行動を促すためのお手伝いをされていること。小さな成功体験を大事にすること。

とても参考になりましたし、共感しました。

組織側にまで働きかけられるのは、とても素晴らしいですね。私はなかなかそこまで強い志は持てず、意見募集の場に書きなぐって終了みたいな感じでしたので、見習いたいと思いました。

私も組織やプロジェクトの中で、率先して新しい技術に取り組んで、それをメンバーにわかりやすく説明して、興味を持ってもらう、というのを心掛けているのですが、なかなかメンバーも自発的に率先しては興味を持ってくれず、どうにかならないか…なんでこれだけアプローチしているのに、自分からやってくれないんだろう…と悩んでいる時期がありました。

社内でのアウトプット活動も、比較的同じような立場のメンバーにはつながりがあったため情報共有はしていましたが、なかなかオープンに、という形では活動できていなかったので、よこちさんの「野良期」に近い状態だったかなと思っています。

タイミング的に、カイゼンジャーニーの影響を受けているからかもしれませんが、ここ1年くらい、そのスタンスが変わってきており、よこちさんのオフィシャル期での活動と同じように、1:1で、メンバーの成長を促す形のアプローチで、自然に興味を持ってもらえるように…というのを心掛けるようにしています。

今回お話されていた内容をもとに、また自分の取り組みを見直していきたいなと思いました。

■感謝を込めて

正直、Ansiblejpのコミュニティについては、ファーストコンタクトがよこちさんでなければ、ここまでどっぷりとコミュニティに関わることもなかったように思います。

ファーストコンタクトは2019年のAnsible Automates…ではなく、AnsiblejpのSlackからですね。ログを見返してみると、2019年5月に私からPrivでお話させていただきました。

Ansible Nightなどのイベントでのとても優しそうな話し方や、Ansibleで関わられているカテゴリが私の気になっていたネットワークということもあり、勇気を振り絞ってメッセージを送ったのを覚えています。

実は、2019年2月頃に泊りがけで某所に行ったときに、Ansible関係の有識者の方に「ネットワーク対応ってどうですか?」と質問したところ、「Ciscoなら十分使えると思いますが…他は…」のようなお話を頂いて、ネットワーク機器で使うことをイメージしていた私は、一抹の不安を覚えながら学習をしていました。

そんな懸念もありつつ、Ansiblejpに関わっていくと、サーバ系やクラウド系のナレッジが多いなか、ネットワークを中心にいろいろと活動されているよこちさんをみつけて、「このひとだ!」と思い、お会いしてみたいと思うようになりました。

その後、Ansiblejpでの活動やTwitterなどでいろいろと交流していただいた結果が、今この場に居る自分の原動力になっているといっても過言ではありません。

本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。