てんこ

ブログ名は愛猫(てん)の愛称です。中身は個人のIT系学習記録です。

1か月半ほど鬱病で休職した話

今回はタイトル通り、ポエムです。

もしかすると察していた方がいるかもしれませんが、私は4月の半ば頃から、6月の第1週くらいまで、鬱病で休職していました。

その時の話を書いておこうと思います。

現在は既に完全に回復しており、お仕事にも復帰しております。ご安心ください。

この手の話題が嫌な方もいると思うので、折り畳みにしておきます。

サマリ

  • 鬱病は誰もがなる病気だと実感した。
  • 早い段階で親身になって聞いてくれる人に相談すると良い。
  • 何もせずに休む、は立派な治療。先の不安ではなく、「今」を考えるのが重要。

休職した期間

2020年4月21日(火)~6月8日(月)までです。

3月にはもうだいぶ参っていて、4月上旬に会社のメンタルヘルス窓口に電話したりしました。結果、一度心療内科の受診をしたほうがよい、と勧められました。

タイミングを見計って心療内科へ行こうと思っていたのですが、4月16日(木)、4月17日(金)はもう会社で仕事ができる状態ではなく、16日は朝の時点で早退、17日は会社手前まで行って引き返し、欠勤させてもらいました。

その際、当日に受診できるメンタルクリニックをいくつか探したのですが、どこも「初診は2か月待ち」というような状況であり、絶望しかけてたところでなんとか1件、翌週月曜に初診が受診できるところを見つけて予約を取りました。

4月20日(月)に休暇をもらってメンタルクリニックを受診した結果、「ドンピシャではないものの、症状としては鬱病の可能性が高い」とのことで、ドクターストップが出ました。

ツイート数の実績から見る変化

Twitterでのツイート数を見てみると一目瞭然なんですが、1月くらいからガクッと減っていていて、3月~5月くらいは割と1日に0~2ツイートがほとんどだったと思います。

右にあるスケールを見ていただくと、2番目のグラフは桁が違っているのが確認できるかなと思います。

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どんな症状が出たのか?

実は、鬱病でよく出る2大症状としての「食欲の減衰」「睡眠不良」は発症しませんでした。

ざっくり書くと、以下のような症状が出ました。

  • やる気の減衰
  • 支離滅裂な思考・行動
  • 思考力・判断力の低下
  • 何を考えても不安ばかり
  • 何か悪いことがあると、すべて自分が悪いと考えてしまう
  • 自傷思考・自殺思考(それほど多くなかったですが)
  • 出社意欲の低下
  • 出社後の猛烈な吐き気
  • 動悸
    • 上記2点は昼を過ぎるとだんだん回復し、帰社時には正常に戻る
  • 情報が頭に入ってこず、情報の洪水のように感じた。(読書やTL、メールマガジンなどを眺めるのもつらかった)
  • 10分程度しか集中できず、頻繁にトイレ休憩をとる。
  • 休日は思考ができないため、ひたすら寝ながら漫画・動画などを見て過ごす
  • 美味しいものを食べに行きたい、などの欲も出てこない

もし、上記症状に心当たりのある方は、是非一度、心療内科の受診をお勧めします。

「こんなのただの弱気じゃないの?」なんて思う方もいるかもしれませんが、抗えないものはどうしようもありません。鬱にも色んな症状があります。

私と対面したり、会話したりしたことがある方は、キャラ的に上記のようなキャラではないのはなんとなくわかると思います。

会社の中でも驚かれました。自分でもびっくりでした。

原因はなんだったのか?

お仕事の事情なので詳しくは書けませんが、大体以下のような事情です。

  • 半年前くらいから種を蒔いていた新しい取り組みを、いざやるぞ!と思っていたところで、個人としてあまり得るもののない(と思っていた)、社内政治中心の仕事をすることになった。(1月中頃~)
  • 取り組みそのものが、もともと主幹している部門があるところへの横槍に近い(と自分では思う)内容だった。
  • コロナ禍の対応にも影響のある取り組みであり、その部門に無駄に気を使いすぎてしまい、心労を重ねていった。
  • コロナ禍により揺れる世の中に、不安だけが広がっていった。
  • 上記の結果、だんだんと精神的に蝕まれてしまい、倒れた。

なので、人間関係もありますが、コロナ鬱に近い状態だとは思います。

また、こんな状態でも、「苦手だな~」と思っていたPMPの学習を毎日続けたり。 (その結果、「できてないな~」っていうダメージを受けたり)

「こんなの気の迷いだろ」と思いながら、心を整えるための本を読んで実践してみたり。

後の2つは、今思ってみると、すでに症状が出ている頃のアクションとしては、完全に逆効果で、拍車をかけただけでした。

休職の期間は何をしていたのか?

最初の3日間は、ひたすら寝ながら動画を見る生活が続いていました。

プライムビデオのアニメカテゴリをマラソンしていたりしました。(判断力が鈍っており、普段だと絶対に見ない、昔のドラえもんの映画にまで手を出したりしてました…)

4日目くらいから、「そういえばゲームが好きだったな」と思いだし、PS Plusで配信されていて、ずっと気になっていた「ワンダと巨像」をひたすらプレイしたりしていました。アルゴかわいいよアルゴ。

症状も軽かったためか、GW頭くらいにはほぼ通常くらいに回復し、その後はなるべく仕事のことは考えないようにしながら、スーパーに買い物に行ったり、朝昼晩と食事を作ったり、朝に近所の猫を探して散歩に出かけたりと、体力を落とさないようにリハビリする取り組みをしていました。

また、GW期間中に、奥さんが「あつまれ動物の森」を買ったこともあり、外出しない時は、ひたすらあつ森三昧の日々を送っていたりしました。

会社からは、「回復してきたら、長時間、他者のいる空間でリハビリを」と言われて図書館へ行くことを勧められましたが、そもそもコロナ禍で図書館も自習室が閉鎖されており、ソファーも座れず、滞在時間も30分に制限されるなど、求められる行動ができない状態でした。

なので、会社でもしかすると将来的に役に立つかな?と思っていたSplunkの半日ハンズオンなんかを受けたりしていました。

あとは、ひたすらてんこさんとラブラブしてました。

もともと寂しがりやで、人間が大好きな子なので私が終日家にいるのが嬉しかったのか、以前よりもさらに懐いてくれたような気がします。

自分としても、とても癒やされました。ありがとう、てんこさん。

どんな治療だったのか?

私の場合は、「サインバルタ」というカプセルを処方していただいて、それを飲むだけでした。

サインバルタ」は、いわゆる「抗うつ剤」です。

効能としては「セロトニン」「ノルアドレナリン」と呼ばれる、ストレスなどに対抗するための脳内物質の分泌を促すための薬です。

もともと「抗うつ剤」というものに持っていたイメージは、「頭がふわーっとなるのかな」なんて思っていました。

実際に服用してみると、私の場合はそのような状態はあまり実感することはなかったですが、ただ「不安なことばかりを考える」というような症状を抑えてくれました。それだけでもだいぶ楽になりました。

副作用でおなかの調子が悪くなる、とも言われ、そのための薬も処方していただきましたが、不思議とそのような症状は出ず、対策のための薬も一度も飲むことはありませんでした。

詳細な薬(サインバルタ)の説明は、以下URLをご参照ください。

【精神科医が解説】サインバルタの効果と副作用 | こころみ医学

症状がひどい方になると、回復のためにコミュニケーション訓練などの治療をされる方もいらっしゃるようですが、私は薬だけの治療で回復することができました。

以前は私も「抗うつ剤飲んでる人にあんまり重い仕事振らないほうがいいんだろうか…再発したりしないだろうか…」なんて思ったりしたこともありましたが、基本的に遠慮はいりません。(もちろん人や症状にもよりますが)

鬱病は、あくまで脳内物質の分泌障害であり、抗うつ剤によってそれが賄われるため、通常と変わらない仕事をこなすことが可能です。

このへんが、鬱病が誤解されがちなところだなと思います。 もちろん、症状の重さによって変わりますので、そのへんはご注意ください。

鬱にならないようにするにはどうすればよかったと思うか?

今言えることとしては、発症や症状を抑えるには、お医者さんにしろ、家族にしろ、同僚にしろ、上司にしろ、「親身になって話を聞いてくれる人に相談する」というのが、一番の対策ではないかと思います。

今振り返ってみると、2月末頃に、上司にいろいろと本音をぶつけながら相談できていれば、大分違ったのかなーと思います。

もともと抱え込みがちなタイプではあるのですが、隠すようなことはありませんし、言ったことは必ずやる人間です。

ただ、この時は本当に「こう動く」と報告したことも、まともに実施できず、抱えていました。

「相談しよう、相談しよう」と思いながら上司とミーティングを企画もしましたが、「こんな話をしていいのだろうか…」という思いも先に立ってしまい、まるで普通の状態かのごとく、仕事に関する打ち合わせで終始してしまいました。

また、過去にも仕事でつらいことがあって、「死んだら楽になるかな‥」なんて思ったこともありましたが、その時には乗り越えられたということもあり、今回も行けるだろうと思い込んでいたのも、悪化に拍車をかけた一因だなとも思います。

情報の洪水は、「(流れてきた情報を)これ全部処理しなきゃいけないの?」とか、「他の人はこんなに進んでるのに…」といった、不安の増大を助長する可能性があります。情報のソースからしばらく離れてみるのも、予防や治療に効果的です。

鬱病になった感想は?

自分の身の回りでも数人の発症者を知っていますが、自身も含めてみな「責任感が強い人」でした。

そんななか、自身はこれまで兆候すらなかったため、「自分は大丈夫だろう」と思い込んでいましたが、わからないものですね。

とはいえ、コロナ禍の影響はなかったとは言い切れません。

実際に自分がなってみて、「鬱病は誰もがなる病気」って本当だなと強く思いました。

後、診断結果を伝えたときに、「最悪、あなたが仕事辞めても私働くから安心して」と言ってくれた奥さんには本当に感謝しかありません。おかげで気持ちがすっと軽くなりました。

今後もしばらくは抗うつ剤と付き合っていく必要はありますが(先日、毎日1カプセルに減量されました)、まあ今の状況を見ていれば、薬の服用が不要になる日も近いかなと思ってます。

まとめ

コロナ禍の有無に限らず、鬱病は誰もがかかる病気です。

もし、思い当たることがある方は、症状が重くなる前にお医者さんに相談してみてください。