てんこ

ブログ名は愛猫(てん)の愛称です。中身は個人のIT系学習記録です。

自宅ラボ環境にvCSA7を構築してみた

会社用のVM環境の費用見積もりしてたら、VMUG Advantageの費用対効果がものすごいということに気がついてしまったので、ついに勢いで年間2万円でVMUG Advantageのサブスクリプションを購入しました。

それに合わせて、自宅環境にvCSA7を構築してみましたので、その際のメモを記録しておきます。

以下のリンクが「GUIを使用したvCenter Server アプライアンスのデプロイ」公式ドキュメントになります。

docs.vmware.com

ここではステージ1、ステージ2と記載がありますが、少し加えてDesktop Linuxでのステージ0の事前準備も記載したいと思います。

先に結論

  • Desktop Linux 環境からでもvCSAはデプロイが可能!便利!

環境の概要

以下のような環境で、メインPCからESX01(NUC)に対してvCSA7をデプロイします。

f:id:tatematsu_san:20201025201054p:plain

ステージ0:事前準備(LinuxDesktopの場合)

ISOファイルとライセンスの入手

VMUG Advantage入会後、1営業日ほど経過した後に送られてくるメールから飛べるオンラインストアにて、以下ライセンスを入手。

  • vSphere 7.0
  • vCenter Server 7.0

それにあわせ、vCSAインストール用のISOファイルである「VMware-VCSA-all-7.0.0-16749653.iso」をメインPCへダウンロード。

各ESXiへの正式ライセンスの適用

以下ブログを参考に、同じ轍を踏まないように事前に各ESXiにVMUG Advantageで入手したライセンスを適用しました。

tekunabe.hatenablog.jp

ISOファイルのローカルマウント

最初、「ESXiのデータストアにDLしたISOファイルを入れるのかな?」と思っていたのですが、違いました。

  • 作業用PCでISOファイルをマウントし
  • そこからインストーラを起動して
  • リモートのESXiに対してvCSAのOVAをデプロイする

という段取りになっているようでした。

なので、まずはメインPCでDLしたISOファイルをマウント。

user@pop-os:~/Downloads$ sudo mount -t iso9660 ./VMware-VCSA-all-7.0.0-16749653.iso /media
[sudo] user のパスワード: 
mount: /media: WARNING: device write-protected, mounted read-only.

マウントした中身を覗いてみましょう。

user@pop-os:~/Downloads$ cd /media
user@pop-os:/media$ ls -la
合計 75
dr-xr-xr-x  8 root root 4096  815 16:17 ./
drwxr-xr-x 18 root root 4096  913 21:36 ../
dr-xr-xr-x  2 root root 8192  815 16:17 dbschema/
dr-xr-xr-x  2 root root 4096  815 16:17 migration-assistant/
-r-xr-xr-x  1 root root 6205  815 16:17 readme-de.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 5755  815 16:17 readme-es.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 6461  815 16:17 readme-fr.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 6576  815 16:17 readme-ja.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 5852  815 16:17 readme-ko.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 4799  815 16:17 readme-zh-CN.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 4976  815 16:17 readme-zh-TW.txt*
-r-xr-xr-x  1 root root 4991  815 16:17 readme.txt*
dr-xr-xr-x  2 root root 2048  815 16:17 umds/
dr-xr-xr-x  3 root root 2048  815 16:28 vcsa/
dr-xr-xr-x  7 root root 2048  815 16:17 vcsa-cli-installer/
dr-xr-xr-x  5 root root 2048  815 16:17 vcsa-ui-installer/  #ここが今回利用するGUIインストーラの場所

しっかりマウントできています。

ここまでが事前準備です。

ステージ1:OVA ファイルを vCenter Serverアプライアンスとしてデプロイ

マニュアルに従い、ステージ1の作業を進めていきます。

ステージ 1 - OVA ファイルを vCenter Serverアプライアンスとしてデプロイ

私の今回のメイン端末はDesktop Linuxなので、「lin64」というフォルダを目指して移動し、インストーラを起動します。

user@pop-os:/media$ cd vcsa-ui-installer/

user@pop-os:/media/vcsa-ui-installer$ ls -la
合計 16
dr-xr-xr-x 5 root root 2048 Aug 15 16:17 .
dr-xr-xr-x 8 root root 4096 Aug 15 16:17 ..
dr-xr-xr-x 5 root root 4096 Aug 15 16:17 lin64 #Linux用のインストーラ
dr-xr-xr-x 3 root root 2048 Aug 15 16:17 mac
dr-xr-xr-x 5 root root 4096 Aug 15 16:17 win32

user@pop-os:/media$ cd lin64/

user@pop-os:/media/vcsa-ui-installer/lin64$ ls
LICENSE                 chrome_100_percent.pak  icudtl.dat  installer-linux.desktop  libGLESv2.so  locales           resources      snapshot_blob.bin  v8_context_snapshot.bin
LICENSES.chromium.html  chrome_200_percent.pak  installer   libEGL.so                libffmpeg.so  natives_blob.bin  resources.pak  swiftshader        version

user@pop-os:/media/vcsa-ui-installer/lin64$ ls -la | grep install
-r-xr-xr-x 1 root root 114927232 May  4 17:51 installer _#今回の実行対象
-r-xr-xr-x 1 root root       160 May  4 17:51 installer-linux.desktop

user@pop-os:/media$ ./installer #インストーラ起動

インストーラを起動すると、以下のような画面が表示されました。LinuxでもGUIで操作ができるの、素晴らしい…!

ここで「Install」を選択します。

f:id:tatematsu_san:20201025205153p:plain

(参考までに、installerを起動したターミナルは以下のメッセージが出まくってました)

(installer:31470): IBUS-WARNING **: 09:44:28.332: installer has no capability of surrounding-text feature
(installer:31470): IBUS-WARNING **: 09:44:28.406: installer has no capability of surrounding-text feature

ライセンスに同意して「NEXT」

f:id:tatematsu_san:20201025210324p:plain

デプロイ対象のESXiホストの情報を求められるので、必要な情報を入力し「NEXT」

f:id:tatematsu_san:20201025210447p:plain

証明書の警告が出るため、「YES」を選択。

f:id:tatematsu_san:20201025210624p:plain

デプロイをするvCenterの仮想マシンの名前とrootパスワードを入力し、「NEXT」

f:id:tatematsu_san:20201025210718p:plain

デプロイするvCenterServerのスペックを聞かれるので、デフォルトの「Tiny」を選択したまま「NEXT」(メモリ12GB…)

f:id:tatematsu_san:20201025210824p:plain

デプロイ先のデータストアを選択肢、「NEXT」。なお、ここで「Enable Thin Disk Mode」のチェックを入れるとシンプロビジョニングができます。

f:id:tatematsu_san:20201025211359p:plain

vCenterのホストのネットワーク情報を入力し、「NEXT」。

f:id:tatematsu_san:20201025211553p:plain

ここで「FQDN(option)」という記述があります。 実はvCenterはDNS要件があり、ここではホストのIPに紐づくFQDNを入れる想定のようです。IPのみでも利用は可能ですが、微妙にリンク切れ(localhostになったり)します。

プロの方々にお付き合い頂いてしまって本当に申し訳ない😭

最後に、入力した値の一覧が表示されますので、問題なければ「FINISH」をクリックすればデプロイが開始されます。

f:id:tatematsu_san:20201025212047p:plain

途中経過… f:id:tatematsu_san:20201025212215p:plain

デプロイ完了後。このまま「CONTINUE」でステージ2を選択することもできますし、一度抜けた後WebUI(VAMI)からも設定が可能なようです。 f:id:tatematsu_san:20201025212245p:plain

ステージ2:新しくデプロイされた vCenter Serverアプライアンスのセットアップ

私はそのまま続けましたので、そのままステージ2へ。マニュアルもページが切り替わります。

ステージ 2 - 新しくデプロイされた vCenter Serverアプライアンスのセットアップ

以下のような画面が表示されるので「NEXT」をクリック。

f:id:tatematsu_san:20201025212433p:plain

時刻同期の設定を確認される。外部NTPも選択可能ですが、ひとまずESXiホストとの同期を選択。

f:id:tatematsu_san:20201025212624p:plain

SSO domainの設定を確認されるので、適当な値を入力し、「NEXT」。

f:id:tatematsu_san:20201025212733p:plain

カスタマーエクスペリエンスへの協力をするかどうかを求められるので、必要に応じてチェックを入れ「NEXT」。

f:id:tatematsu_san:20201025212814p:plain

入力した情報が一覧で表示されるので、確認したら「FINISH」を選択。

f:id:tatematsu_san:20201025212901p:plain

本当に実行していいか確認するダイアログが表示されるため、「OK」を選択。

f:id:tatematsu_san:20201025213033p:plain

処理が自動で進み、終了すると以下のような画面が表示されるので、「CLOSE」で画面が閉じます。

f:id:tatematsu_san:20201025213115p:plain

最後の画面にも表示されていたURLをブラウザで開くと、以下のような画面が表示される。

f:id:tatematsu_san:20201025213210p:plain

「VSPHERE CLIENT (HTML5)の起動」というボタンを押すと、https://<vCetnerのIP>/ui/にリダイレクトされ、以下のようなログイン画面が表示されます。

f:id:tatematsu_san:20201025213242p:plain

ということで、ここで設定した認証情報でログインすると、VCSAの機能が利用できるようになりました。

終わりに

上記の通り、Desktop Linux環境からもGUIを使って問題なくvCSAがデプロイできました。

本当はDNS関連の要件を満たしていない環境なのでちょっと…というのはありつつも、まあ個人用途であれば大丈夫ではないかと思います!自己責任で!

(微妙にシステム要件のページに不安な記述があるのが気がかりですが…)

vCenter Serverアプライアンスの DNS 要件

どなたかの参考になれば幸いです。